懇意にしてくださっている弁護士から相談を受けている案件があります。それは、土地の所有者がすでに亡くなっており、相続人もいない土地を相続財産管理人として処分している中で、一部の土地が「国調現地確認不能地」として国が行う土地の高度利用のための調査でも見つからない土地の所有者であるとのこと。
1. 土地の現状調査
まず、土地の所有者が不明な場合、以下を確認します。
(1)登記簿の確認
登記簿を確認し、所有者名義や住所を特定します。ただし、古い登記情報や名義人の死亡などで更新されていない場合があります。
(2)相続関係の確認
所有者がすでに亡くなっている場合、その相続人を特定することが必要です。
(3)所在不明者の対応
所有者が特定できても所在が分からない場合、裁判所を通じた手続きが必要になることがあります。
2. 所有者が完全に不明な場合の対応
所有者を特定できない、または相続人も不明な場合、土地の管理や帰属について以下のような方法がとられます。
(1)裁判所の関与 不在者財産管理人の選任 所有者が不明であるが、利用や管理が必要な場合、利害関係者は家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てます。この管理人が土地を一時的に管理します。
(2)国庫への帰属 民法第239条(無主物先占) 土地が所有者不明であり、かつ無主物であると判断された場合(所有権が完全に放棄されている場合など)、その土地は国庫(国の財産)に帰属します。相続登記が行われず放置された場合 登記が放置され、相続人も不明で処理が進まない土地について、国が特別措置を講じる場合があります(例:2021年に施行された「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」)。
(3)自治体の関与 地方公共団体の管理 公共事業や地域開発の一環として、自治体がその土地を管理または取得する場合があります。ただし、これには特別な法的手続きが必要です。
3. 所有者不明土地の法律的課題
「所有者不明土地問題」
日本では少子高齢化や都市部への人口集中によって、地方や山間部の土地の所有者が不明となるケースが増えています。この問題への対応として、以下のような法制度が導入されています。
(1)2021年の特別措置法
所有者不明の土地を一時的に公共利用する制度を整備。
(2)相続登記の義務化(2024年4月1日から開始)
相続登記を義務化することで、所有者不明土地を減少させる取り組み。
今回の案件では、土地については「土地台帳」という法務局で取り扱っている登記簿の原型となっている書類も確認ずみ。この「土地台帳」とワンセットとなっている「旧公図(和紙公図)」でも所在を確認ずみ。しかし、現在の「公図」には存在していないこととなっている状況。また、相続関係は発生しているものの、相続人が存在しない状況で裁判所から相続財産管理人として弁護士が受託済み。対象地が山梨県であった為、市役所、法務局及び県土木事務所と各省庁を回り、資料を確認していただいたものの、昭和34年の台風による水害から復興したエリアであること、国土調査事業も昭和43年頃のものであり土木事務所でも資料が見つからないことなどから、決定的な資料がない状況。 法務局でも公的書類がない以上、手続きの取りようがないとのこと。
結論として、相続人などの土地所有者がおらず、且つ土地の所在も明確にできない土地であることが判明。このような土地の場合、調査をしたものの資料が一切ない為、裁判所に申し立てた上で 国庫 に帰属させる必要があると考えます。このように、不明土地の管理、利用や処分については、行政機関や弁護士など専門家に相談することが適切です。
ジオパートナーズ株式会社
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